ベースアンプ、ギターアンプの使いこなしのノウハウ その4
Ver.0.34
アンプのAC電源プラグを挿すとき、プラグの向きによって、アンプから出る音が変わります。音質が変わるのです。
プラグの電極は2まいあるわけですから、挿し方は2とおりあり得るということです。
耳で聞いてみて高音が出にくいほうが、正しい向きです。
(ただし、日本国内での話です。国外だと、それぞれの国によって電源の規格が異なりますので何ともいえません。)
基本的な判別方法についてご説明します。耳に依らない方法です。
電気の知識のまったく無い人には、難しいとはおもいますが、やはり不可欠な知識だと考えます。
まず、手元にテスターを用意します。4000円から4500円ぐらいのアナログテスターが必要です。
(デジタルテスターでも使えます。ただしあまりに安価なものはだめです。交流で十数mvが測定できるものが必要です。)
テスターの設定を、交流電圧の最小レンジにします。
機種によってレンジ名の数値が異なりますが、一例としては、3V AC になります。
アンプ、あるいはエフェクターなど、調べる機器を、 単体で、つまり、
入出力になにも接続しないで、電源をいれます。
テスターの赤・黒のテスト棒の、赤・黒どちら側でもいいから、先端部分を片手で握ります。
もう一方の先端部分を、機器のシャーシ部分にあてます。どこがシャーシ部分かというと、たいてい、金属のねじでとめてあるところです。
メータの振れを見ます。必ず、ほんの少しですが、針が右に動いています。
全く振れていないときは、ちゃんとシャーシにテスト棒が当たっていないということです。
どうしてもその場所がわからなければ、出力側のジャックの金属部に当ててください。
そして、メータの振れを良くおぼえておいてください。数値自体は重要ではありません。
次に、電源を切り、AC電源プラグの向きを入れ替えます。
また、電源を入れ、テスト棒をあてて、メータの振れを見ます。
振れ具合がさきほどと違っているはずです。
振れの小さいときが、ACプラグの向きが正しいときです。音質のいい状態です。
壁のコンセントの穴をよく見ると、2つの穴の長さが異なっていることがわかります。
短いほうがホットです。
長いほうがグランドで、ここは地面につながっています。
機器のACプラグの正しい向きが、どっちがホット、どっちがグランドか を記録してください。
プラグに油性マーカーペンで書き込んでおいてください。
ただし、壁のコンセントの穴だと、目で見てホット・グランドがわかりますが、
延長コードの場合は、穴には短い・長いの区別が無いのが普通なので、その判別には検電ドライバーが必要です。
多くのエフェクターを使うかたは、あらかじめテーブルタップとエフェクターのACアダプターにマークをつけておけば、手数が省けます。 テーブルタップのプラグをさし込むとき1回、ホット・グランドを調べるだけですみます。
なお、アンプの設計によっては、振れの違いが無くて、音質の差もほとんど無いという場合もあります。
おそらく、電源トランスの巻き方に依るのだと思います。
ギャリアンクルーガーのベースアンプで、同じ型番のものでも、音質の差が大きくでるものとほとんど出ないものがあるのを経験しています。製造のロットによってアンプの中身は変わります。同一の型番でも、回路変更やパーツのメーカーの変更はどの会社でもおこなわれています。
たったひとつのパーツを交換しても音は変わります。
ところで、
3ピンのACプラグの機器を使い、壁のコンセントも3ピンであったとします。
そして、3ピンのACプラグの、アースピンは切り取ってあるとします。
さて、ACプラグはどの向きに挿すのが正解でしょうか?
たいていの人は、アースピンのあったところが、コンセントのアースピン用の穴の位置にくるように挿すことでしょう。事実そうしているところを見たことがあります。
意外ですが、これは50パーセントの確率で間違っているのです。
プラグのアースピンを取り去った段階で、残りの2本のピンの挿す穴は不定となります。
不定などというわかりにくい言い方をしてすみません。
正確な言い回しでいうと、残りのピンのどちらがアースの電位に近いのかは、不明であるという意味です。アース(地面)の電位に近いほうのピンをコンセントの穴の長いほうに挿すのが正しいと私は考えています。
ピンの幅が広いほうがアース、というのはこの場合通用しません。
前述の判定方法で、ピンの向きを決めてください。