2013年3月13日水曜日


関西のコンサートホールについての評価
 
いずみホール
 このホールは、すばらしいです。
 おすすめです。
 ぼくは,D列またはC列にすわることが多くて20から24の席がお気に入りです。
 最前列、つまり、Aのなんとか、という席を買ってはいけません。音が悪いのです。
 A列の床は、すぐ下が空洞だからです。
  ふだん、この席は、はじめから販売しないときも多いのです(たぶん)。
 こまかいことを言えば、いい席は、声楽のときはG列、ピアノのときはH列。
  バロックチェロやチェンバロやリュートは、CからEという具合です。
 休憩時間、喫茶コーナーで珈琲を頼む時に、「ぎょうさん入れてください。」
というと本当に多い目にしてくれます。もちろん忙しくないときにかぎります。
 コーヒー400円なり。
 ぼくにとっては最高のホールです。821席あります。
  トイレに行くときは、2階のを使いましょう。すいています。

イシハラホール
 どこの席でも十分いい音で聴けます。
 このホールは、すばらしいです。 おすすめです。
 いぜん、チェロのヨ-・ヨ-・マがレ-ザ-ディスクの録画に使いました。
 ふだんのコンサ-トは1700人もはいるザ・シンフォニ-ホ-ルでするくせに、
 録音,録画は250人のこのイシハラホ-ルです。
  ほとんどのお客さんは,イシハラホ-ルでこそ,ナマでヨ-・ヨ-・マを聴きたいのだと思います。
 経済的なことを考えるとしかたのないことですが、残念です。
 このホ-ルほど,弦楽器が良く鳴るホ-ルは他にありません。 
 椅子がとてもゆったりしていて,最高のコンディションで,音楽に集中できます。 
  トイレもまた、ゆったりとしたぜいたくなつくりです。
 開演のお知らせは、ガラスのベルでチリリンチリリンと鳴らしてくれます。
  コーヒー400円なり。

フェニックスホール
 1階席なら後ろのほうの席は、避けてください。
 最前列から4列目ぐらいまでがいいです。
  音量の大きそうな演奏なら2階へいってください。やかましすぎることがあるからです。
 窓側に天井から吊るされている電動の反射板がよくありません。反射音が濁っています。
 反射板の無いときのほうがいい音がする、という困ったこともありますが、
 めずらしく、可動式ながらもがっちりした床を持つ、いいホ-ルです。
 可動式の床というのは、ふつう演奏時に音質を損なう原因になるものですが、このホールの場合は
 成功しています。だめな例は、京都コンサートホールと京都アルティです。
 フェニックスホールのキャパシティーは335席です。
 ささいなことかもしれませんが、うれしいことに、コーヒーが310円と、安価です。 
 フェニックスホール主催のコンサートのうち、エヴォリューションシリーズがたいへんすばらしいです。
 新人紹介コンサートシリーズもおもしろい。

ザ・シンフォニーホール
 空調のゴーという音がしたり、照明の調光器によるジーという音がしたり、
なにも余計な音がせず静かだったり、行くたびに違います。
 このホールでは、よっぽど前の席に座らないと、楽器の直接音は、聞こえません。
 室内楽を、息づかいの聞こえそうな雰囲気で味わいたいと切望しているわたくしといたしましては、
 1階の至近距離の席が買えなかったときは、2階席、3階席のステージ寄りの席にしています。
 つまり、LA1ー9、LB1-6、LLA1-6、RA1-9,RB1-6、RRB1-6のほうが
 聴きやすいと考えています。
 公園の緑の道をとうり抜けるとそこがホールの玄関、という演出はすてきです。
  1704席です。
 
京都コンサートホール
 このホールへは、行かないようにしましょう。
 大ホールも、小ホールも、ともに音響特性は、最低です。
 細かいことは言えばいくらでも言えますが、やめておきます。
 「総額200億円の税金をどぶに捨てた。」とだれもが考えています。
 どうしても、ここへ聴きに行くことになってしまった場合は、どうか、忘れずに耳栓をもって行ってください。
 というのは、廊下やロビーの床や壁が、音を反射してやかましくて、耳を疲れさせるからです。
 席に着くまでに耳がダメージを受けます。

 音楽を聴かない人間たちが建てた建築物です。コンサートホールという名前は返上すべきです。
 このホ-ルはきらいです。一生行きません。

リーガロイヤルホテル・クリスタルチャペル
 宣伝や紹介文では、いい音がするホールということになっています。
 おすすめしません。

千里阪急ホテル・クリスタルチャペル
 おすすめします。
 そとを走る自動車の音が聞こえますが,気になりません。
 佐野健二さん、平井満美子さん夫妻のコンサ-トが定期的にひらかれています。

千里阪急ホテル・アイヴィーチャペル
 おすすめします。クリスタルチャペルとはまた少し違った響きのホールです。

新阪急ホテル・チャペル
 チャペルとしてはめずらしく、残響が極端に少ない特性です。
 しかし、床が頑丈に出来ていて、低音の出かたが,まっとうです。
 演奏の細部がはっきりとわかります。演奏される音楽の種類を選ぶ会場です。
 わたしは好きです。
 70人くらいのキャパシティです。

テアトル・ラモー
 神戸の六甲道にあります。個人所有のホールです。
 おすすめします。
 めずらしいピアノがあります。
 フランスのエラールです。もちろん、愛情を込めてメンテナンスされています。
 エラ-ルではないもう1台のフツ-のピアノも、お金をかけてよく手入れされていて、現代的ないい音がします。

京都アルティ
 音楽専用ではなく、いわゆる多目的ホールなのでいい音は望めませんが、企画はとてもいいものが多いと思います。
 前から6番目の列が聴きやすいです。

自泉会館ホ-ル
 岸和田市役所の斜め向かいにある市立の会館です。
 中之島の中央公会堂に雰囲気が似ています。
 大きさは,120人ぐらいのキャパシティで天井が高く,レンガ作りの暖炉(の跡)があり,とても落ちつきます。
 音響的にはあまり良くないのですが,企画されるコンサ-トが素晴らしいものばかりです。
 至近距離で濃密な音楽を堪能できます。
 チェロのぶるっとした低音を味わえます。
 おすすめします。

酒心館
 テレビなどでもよく紹介されています。酒蔵を改築したホ-ルです。 
 地震でつぶれたあと,別の蔵をあてて再オ-プンしました。
 木の香りのするホ-ルでの演奏会というのはなかなかいいものです。
 音響特性はというと、フツーです。
 椅子が大きくて座りやすいです。
 古楽系のコンサートでは、トップレベルの演奏者が多く出演します。

神戸松蔭女子学院大学チャペル
 すばらしいです。ここで聴く宗教曲は最高です。
 とくに,ふだんあまりつかわれていない2階席,つまりパイプオルガンのおとなり付近がぼくの好みです。
 もちろん,パイプオルガンの演奏のないときにかぎります。

豊中アクアホ-ル
 残響の多いホ-ルです。
 ただし、ホ-ル全体が豊かな響きをしているわけではありません。
 難儀なことに,ステ-ジ側だけが風呂場のように響いていて,音のかたまりが,はっきりと前方のみから
 やってくるというなんだか変わった雰囲気の音です。
 演奏者のひとも,モダンのひとの場合は,演奏しずらそうです。
 バロック以前のひとは大喜びです。

 ホ-ルのそばに小さな池が作ってあります。
 きょうび、池はめづらしくて貴重です。
 池のコイをながめるだけでも気持ちがいいものです。

OAP アートコートギャラリー
 画廊です。「音響にも優れ..」とホームページには記載されていますが、それは間違っています。
  優れているどころか、ただの会議室よりも音はもっと悪いです。 おすすめしません。