2013年3月13日水曜日


 アコースティックな演奏を聴くお客への注文

騒音について *******************************
 演奏中に音を立てない。これは最も重要なことです。

 演奏中の私語を慎むこと。
 これほどあたりまえのことでも、守らない人はやはり居ます。
 わたしがにらみつけても、自分のことだと気がつかないことがほとんどです。

 ノック式のボールペンを使わないこと。カチャカチャと音を立ててしまいます。
 バッグのファスナーを開け閉めしないこと。
 飴の包み紙にはとくに気をつけること。
 丸めたセロファンの包み紙を、手の中でもんで遊んで、演奏が終わるまでずっと音をさせていた人がいました。子供ではありません。中年女性でした。
 プログラムの冊子をめくるときの音にも要注意。これはほんとうに耳障りです。

 演奏の始まる直前の数秒間は息を止めて、音を一切たてず、最初の一音を聞き逃さないようにしてください。意識の集中が必要です。

 コンサートホールではありえないことですが、小さな会場では主催者側の人間が本番中に写真撮影をおこなう場合があります。
 そのときシャッター音がじゃまになります。
 ニコンの舞台撮影用の消音型カメラをつかっているから大丈夫、と説明したカメラマンがいましたが、実際に出る音は大きなものです。だまされてはいけません。
 カメラマンのほとんどは、きっと難聴です。音楽を聴いてなどいないのです。
 シャッター音がうるさくて音楽にひたれないと、客として正当に、関係者に抗議しましょう。

  音をたてるなといっても、アンコールの時は別です。
  アンコールは、いわば、おまけですので、
 客席がさわがしくともかまわないと思います。
  はめを外した盛り上がりも、きっと許されます。
  なお、咳や、くしゃみについては、これは仕方のないことだと考えています。その人を責める気持ちにはなりません。
 
   ポケットベルや携帯電話については、わたしが言わなくても各ホール自身が、積極的に注意をよびかけています。
 電源を完全に切ることが必要です。
  バイブレーションモードにしていても、電池の切れかけのときには、アラーム音がピーピー鳴ってしまうことを忘れないでください。

 とにかく、極力、音の出る機器は身につけないようにしてください。
 腕時計も、アラーム音の出ないアナログ時計にするのが無難です。
 ただし、アナログ時計であっても、スイスのスウォッチ社のはだめです。
 この会社の腕時計は、針の音が置き時計並みに大きいので、こういうものを音楽ファンは、持ってはいけません。
 また、かばんのなかのノートパソコンも、なにかのはずみに音が出てしまうことが無いように配慮してください。


異臭について *******************************
  ヘビースモーカーの方は、シャワーを浴び、服を洗濯済みのに着替えてコンサートホールへ来てください。
  たばこくさい人が席につくと、まわり半径3mに、においが伝わり、10名前後の客が迷惑をこうむります。
  同様に、香水も、音楽を聴くのには不要です。
  年配のかたで老人臭が強くすると自覚のある人は、ヘビースモーカーの方と同じく対策してください。

拍手について *******************************
 ときおり、はた迷惑な拍手をする客がいます。

 そのひとつは、とても大きな音をたてての拍手です。
 破裂音とでも言うべき強烈な音がして、隣の席にいると耳がおかしくなってしまいます。
 演奏終了時に、間髪を入れずの拍手もやめてください。
 演奏終了直後の2秒間も、音楽のうちです。もっとも美しい静寂です。
  演奏のおわりがわかりにくい曲のとき、いかにも「わたしはこの曲を知っている。」とばかりに
 早く拍手をしているように見受けられます。

録音について *******************************
 違法な録音はやめましょう。

 お客による録音を目撃し、説得して止めさせたことがなんどもありました。
 MDやDATの小型のもが容易に入手できる昨今ですから、つい隠し録音をやってみたくなるのかもしれません。
 しかし、それはだめです。
 録音したいのなら、申し出て許可を得てください。断られることが大半でしょうが、それがすじみちというものです。
  わたし自身は、コンサートを録音したテープを多くもっていますが、それは違法なもの、無許可の録音ではありません。
  自分自身で聴くだけでコピーや譲渡はしない、と約束したうえで主催者や演奏者からわけてもらったものがほとんどです。
 
 とにかく、みんなで、いい音楽を聴く環境を作っていきましょう。
 わたしは演奏家でもプロデューサーでもなく、極端に熱心なただの音楽ファンです。
 客と演奏者(あるいは音楽関係者)との信頼関係を築くことが最も大切なことだと考えています。