ACアダプターについて
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なぜ、ACアダプターは純正でなければならないか。
エフェクターのACアダプターは様々なタイプがあります。
まず、プラグの形状がばらばらです。
さらに、電極のプラスとマイナスも一定ではありません。
出力電圧も直流何ボルトというものばかりではなく、外国製には 交流出力になっているものさえあって、ほとんど混乱の極致です。
ここで解説したいのは、”DC 9V 300mA”というような表示があるとき、同じ表示の他メーカーのが、使えるのかどうかです。
結論からいえば、
「ワ・カ・ラ・ナ・イ」 ということです。
「使えるのもあれば使えないのもある。」としか言えません。
通常、ACアダプターは、電子回路の種類でいえば
”非安定化電源”というタイプです。
表示をみて、
”電圧は9V一定で、電流は0mAから最大300mAまで使用可”と思ったらそれは、おおまちがいです。
これは、「300mA流したとき、電圧は9Vになりますよ。」
「それ以外の電流値のときの電圧は、いったい何ボルトになるかは知りませんよ。」
という意味の表示なのです。
少ない電流のときは、電圧は高くなり、電流が多くなれば電圧は低くなります。
つまり、運が悪い場合、純正以外のACアダプターを使ったときに電圧が、そのエフェクターの許容範囲より高くなって、
かんじんのエフェクターが、コワレテシマウかもしれないのです。
壊れるといっても、こういう場合、たいていはだんだんと傷んできて音も少しづつ悪くなっていくので、気がつきにくいのです。
回路のなかの電解コンデンサという部品が、だんだんとだめになっていくからです。
壊れるかもしれないということだけでは無く、電流の供給能力が低くて使えないこともあり得ます。
そのエフェクターの必要とする電流が流れたとき、
出力電圧が下がりすぎてしまうのです。
こまかいことまでいえば、瞬間的に流すことの出来る電流の大きさも
音質上たいへん重要ですが、
ACアダプターにそのような技術情報までは、表示されていません。
同様に、エフェクターの取り扱い説明書にも、正確な消費電流の記載はありません。
さらにいえば、AC100Vが、いつも100Vあるとは限らないので
100V以下の低い状態でもちゃんと、
エフェクターに必要な電圧、電流を供給できるか
ということも、たいへん重要です。演奏現場の環境がさまざまであることを
考えると、92Vであっても正常にはたらく必要があります。
つまりは、やはり、純正のACアダプターを使うのがいいということです。
しかし、もし、エフェクターのメーカーが、廃業などですでに存在しないとかで、
ACアダプターが手に入らないとき、
いったいどうすればいいかというと、
”定電圧電源”というタイプのを使うのが安全な方法です。
9V(あるいはそれぞれに必要な電圧)ほぼ一定なので安心して使えます。
定電圧電源というのは、商品名ではなく、電子回路の種類です。
実際の商品名をいわないと、なんだか出し惜しみしているように見えるので
一例として名をあげると、株式会社パトスのDK000-Aです。
3Vから12Vまで可変。変換プラグ5種類つき。大阪日本橋でニノミヤのパーツ売場や、
最近できたマルツ電波というお店にあります。
同社のACアダプターが各種置いてあり、出力電圧固定のタイプも3V,6V,9V,12Vとそろっています。
ただし、スイッチング型とかいてあるのは、小型軽量ですが音質が悪くなるので避けてください。
もちろん、これらの商品がどのエフェクターにもかならず使えるとは言えません。
エフェクターの消費電流など、特にプラスマイナスの極性を実際に確かめたうえで、試すことが必要です。
コネクタの形状以外にも気を使ってください。
慎重に考えないと、もし、誤解とか、まちがった情報のために、大切なエフェクターを壊してしまっては
いけないからです。
定電圧電源は自作することも可能です。キットも販売されています。
キットといっても,もちろん,エフェクタ-用というわけではなく,電子回路の実験用です。
さらに凝ってまるっきりの自作の定電圧電源を考えると、この場合費用が多くかかりすぎます。
なるべく、市販品の流用が合理的です。
音質についてこまかいことを言えば、
ACアダプターのできによって、エフェクターの音質が変わります。
高音質を追求するひとには、それなりの、高品質のACアダプターが
必要です。しかし、そういうものを制作すると、
どうしても、大きく、重くなりがちで、しかもたいへん高価です。
電源の高音質化については、いまのところ、
誰にでもすすめられる良い方法というのは、思いつきません。
しかたがないので、せめて
「ベースアンプ、ギターアンプの使いこなしのノウハウ その4」
の要領で、ACプラグの極性を合わせて使ってください。
ACアダプターの数珠つなぎ接続について
一台のACアダプターから、何台ものエフェクターに接続しているひとを見かけます。
ツアーのときなど、荷物を減らすためにきっとそうしているのだと思います。
しかし、音質がかなり落ちます。
なるべくなら、エフェクター一台にACアダプター一台にしてください。
何台分もの出力端子のついている電源ボックスも市販されていますから、それならいいかと言いますと。
以前、不真面目な作りのものを見たことがあります。
なかをあけてみたら、その台数ぶんの回路ははいっていませんでした。
ごく簡単な定電圧電源回路がひとつあって、そこから4個の出力端子に分けてあるだけなのです。
おそらく、市販品ならどれもその程度の機械でしかないのです。 バカにするな!
電気楽器はガキのおもちゃであると、メーカーは考えています。